大阪府医師会もその動きに合わせ、1月中旬から有志を募り、JMATの派遣をしています。我々も自ら志願し、4人のチームを組み現地に赴きました。
今回の能登半島地震におけるJMAT活動は、
(1)能登中北部の被災地における避難所の巡回診療
(2)被災された診療所・クリニックの診療再開への支援
(3)金沢市や小松市等に開設された1.5次避難所や2次避難所の健康管理
の3つの役割を担っています。
金沢以南には約6000人が能登半島北部から避難しており、高齢者も多いためその健康状態の把握や管理が難しいとされています。今後起こるとされている南海トラフ地震が実際に起こった後、我々がどのように診療や地域住民に対してのサポートをしていくのか知識や経験を積むとともに、今実際に被災を受け避難している人達に対して、「何か少しでも役に立ちたい」という強い思いからこの活動に志願し、大阪府医師会JMATとして2月18日~20日の3日間被災地へ行きました。金沢以南での活動を担当し、主に金沢市の1.5次避難所(要介護者などで、2次避難所が決定するまでの間に滞在する避難先 )・2次避難所(民泊やホテル、旅館等)の巡回診療を行いました。
我々の3日間の活動内容を簡単に以下に紹介します。
1日目(2月18日)
午前11時に石川県庁にある石川県JMAT調整本部に到着し、活動の説明・前班からの引継ぎを終え、早速避難所の巡回診療活動を行いました。県庁へと戻り、午後5時全体ミーティングで他のJMATチームとの意見交換・報告会を行い、初日を終えました。
2日目(2月19日)
午前8時30分県庁での全体ミーティングを終え、午前9時石川中央保健福祉センターに到着し、石川県保健医療福祉調整本部でのミーティングを行った後、避難所の巡回診療活動を行いました。2日目は18ヶ所の避難所を巡回し、避難者の健康状態の確認等やコロナ患者への診療も行いました。午後5時、前日に引き続き全体ミーティングを経て2日目の活動を終えました。
3日目(2月20日)
前日に引き続き県庁・保健所でのミーティングの後、巡回診療活動を行い、県庁で次班への引継ぎを行い、3日間の活動を終えました。
石川県内では未だに断水が続き、ライフラインが整っていない地域が多くあります。金沢市内ではライフラインは整っており、避難されている方々も、日中は学校や仕事で外出する、などと比較的に活動的な様子が見受けられました。県庁にある本部でのやり取りを聞いたり、資料を見たりすると未だに厳しい状況が垣間見られ、今回の震災による被害の甚大さに驚くばかりでした。今回の参加を終え、私達もこれから起こりうる南海トラフ地震の際の患者様の避難誘導、被災時の診療所の存続方法など、今後の課題のリストアップを行い、災害への備え・準備を行いながら日々の診療に取り組んでいます。